週刊新潮

「従軍慰安婦強制連行のウソを認めない朝日新聞の偽善報道」


朝日新聞が、さる3月31日、見開き2ページを費やして従軍慰安婦問題を大特集した。
社説でも、その日と、その2日後に一見高邁な主張を展開した。この問題で朝日がはたした
役割に批判が高まっているのに対し、精一杯反論したものだ。が、実は、その大キャンペーン
も噴飯もの。朝日が犯してきた誤報、捏造については一言の訂正もなく、歴史をねじ曲げた
責任についても頬被りしたままなのだ・・・。


「あの2ページも使った特集記事には、最近、押され気味の朝日新聞が、もう一度ムードを盛り
返そうとしている気配がありありでした。新学期が始まろうとしている時ですから、教科書問題
もからめて、あんな特集をしたのでしょう。朝日も必死なんだな、と思いましたよ」
 と「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝・東大教授は感想を述べる。
   (中略)
 しかし、実は、そのどこを見ても、過去の誤報や捏造記事については一言の訂正も謝罪も
なく、なんとその誤報の上に築かれた慰安婦問題そのものについても、論理のすり替えで
正当化してしまう奇怪極まるものなのだ。
「朝日は、従軍慰安婦の強制連行説を日本人の頭にしみ込ませた主犯格です。軍の関与の
もとに朝鮮の女性が挺身隊の名で強制連行された、というウソを平気で書き、吉田清治という
人物が書いたデッチアゲの本をもとに済州島で慰安婦狩りが行われたとも再三書いて、事実
とは違う従軍慰安婦のストーリーを流布させたのです。その一連の報道で、ムード的思考に
陥りやすい日本人は、すっかりマインドコントロールされたと言っていいでしょうね」
(藤岡信勝・東大教授)


なにしろ、そんなムードに尻を叩かれ、92年1月、宮沢喜一首相(当時)はソウルで開かれた
日韓首脳会談で盧泰愚大統領になんと6回も謝罪の言葉を述べているし、翌93年8月には、
河野官房長官(当時)が公式に「官房長官談話」の形で「官憲による強制連行」を認め、
あらためて謝罪した。そして、ついには、今年4月から使われる中学校の歴史教科書すべてに
慰安婦の記述が登場するところまで事態は進んでしまったのだ。
 しかし、官房長官が認めようが、教科書に載ろうが、ウソはウソだ――。 (中略)




植村記者の意図的「誤報」


 それは、大阪朝日新聞の91年8月11日付朝刊に載った「思い出すと今も涙 元朝鮮人
慰安婦を韓国の団体聞き取り」という記事である。
 植村隆記者は大阪の社会部に所属していたが、将来のソウル特派員含みでソウルに留学
したこともある韓国通。留学先で知り合ったソウルの「太平洋戦争犠牲者遺族会」の幹部
(梁順任・常務理事)=当時=の娘と結婚。そのルートで、韓国人の元従軍慰安婦が近く補償
を求めて日本政府を提訴することをいち早く知り、韓国紙も知らないうちにスクープしたものだ。
問題は、書き出しの部分である。
<日中戦争や第二次大戦の際、「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に
売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」のうち、一人がソウル市内に生存していることが
わかり、「韓国挺身隊問題対策協議会」が聞き取り作業を始めた・・・・>
 と始まるのだが、<女子挺身隊の名で戦場に連行され>ウンヌンが全くのウソなのだ。
しかも、それは根本的なウソである。その元慰安婦とは、その4日後にソウルで記者会見し、
間もなく来日して日本のテレビ、新聞にも登場して有名になった金学順という老女だが、彼女
は自分の生い立ちを記者会見でも訴状でも、そんな風に語ったことはない。

彼女が述べている慰安婦になるまでの経緯は、貧しい家庭に育ち、14歳のとき、
キーセンハウスに売られ、17歳になったとき、義父(キーセンハウスの経営者)に日本軍の
慰安所につれていかれた・・・というものだ。
   (中略)
 実は、植村記者は、そのスクープをやってのけたとき、彼女の告白テープを聞いている。彼女
がキーセンハウスに売られた女性であることも知っていたはずなのである。にもかかわらず、
<女子挺身隊の名で戦場に連行され>たと書き、そのうえで、日本軍の慰安所でどれほど
辛い目にあったかを綴ったのだ。
 なんと、それが、その後に続く朝日の慰安婦問題キャンペーンの始まりになるのである。
 しかも、もう一つ見過せないのが、「太平洋戦争犠牲者遺族会」なる団体は、金学順さんを
含む3人の元慰安婦たちの訴訟を起した原告であることだ。植村記者は、そこの幹部の義理の
息子にあたり、夫人もその団体で働いていた。「自分たちの訴訟を有利にするための記事では
なかったか」という疑いが囁かれるのもむべなるかな、なのである。
 付け加えておくと、女子挺身隊制度は、国家総動員法に基づき「銃後の戦い」の名で、女性
を軍需工場へ動員したもの。日本の若き女性たちも片端から動員され働かされた。(中略)
 一方、慰安婦とは、民間の業者が、軍の移動に伴い、自分の抱える娼婦をぞろぞろ引き
連れてゆくもの。当時の軍は、兵士が進駐先でレイプ事件を起すのを恐れ、駐屯地内に
慰安所を設けさせていた。移動にも便宜をはかっていた。これも今では想像もできないことだ
が、多くの国の軍隊が、当時は似たりよったりのことをしていたという。 



加害者の証言もウソ


 もちろん、天下の朝日新聞がその程度のことを知らないわけがない。が、それにもかかわら
ず、92年1月11日、宮沢首相訪韓の直前に、今度は一面トップで同種の“大スクープ”を
やってのけるのだ。「慰安所 軍関与示す資料」という記事で、防衛庁の図書館にあった資料
から、日本軍が慰安所の設置や、慰安婦募集の監督・統制をしていたことが明らかになった、
というものだった。
 前出の藤岡信勝・東大教授の批判を聞こう。
「あの記事が“軍関与を示す資料”と言っているのは、日本軍の通達類や日誌のことですが、
そこに書いてあることは意味が違いますよ。民間業者が軍の名を使って慰安婦を募集したり、
誘拐まがいのことをするのを戒め、業者を統制しろ、と指示する文書です。それを朝日はまるで
反対にとって、軍が関与した証拠だ、と書き立てたんです。しかも、従軍慰安婦についての
解説記事をかたわらに載せて、そこでは、挺身隊の名で強制連行した、その数は8万人とも
20万人ともいわれる、などと記してあった。従軍慰安婦は強制連行された女性たちで、それに
軍がかかわっていた、と読めてしまう記事なんです。
 それが、宮沢首相は訪韓したら韓国に謝らなければならない、というムード作りに決定的な
役割をはたしました。あれは朝日が謝罪に向け絶好のタイミングでしかけたものでしょう」

さらに、朝日新聞のいかがわしさは、吉田清治氏という変人の著書を絶賛したことに
とどめをさす。
 吉田氏の変人ぶりについては、かつて小誌で2回も報じているが、要するに、韓国の済州島
で慰安婦にするための女性狩りをたびたび行った、と告白し、日本、韓国、アメリカなどで謝罪
講演するのが習慣になっている老人だ。
 朝日は「加害者側の勇気ある告白」として、この人物を絶賛し、日本が挺身隊の名で
女性狩りをしてきた証人であると位置づけてきた。しかし、それも、吉田老人の作り話である
ことが明らかになっている。
 秦郁彦・千葉大教授が解説する。
「・・・(中略)・・・そんな本をあたかも真実であるかのように報じてきた朝日の責任は思い。
韓国政府も国連人権委員会も、吉田証言を引用して報告書を書いているが、それは朝日が
取りあげ、権威づけをしたからでしょう」




謝罪すれば友好国か


 しかし、驚くではないか。今日の大特集や二度の社説では、「女子挺身隊の名で連行した」
などとは一行も書いてない。二度にわたるスクープで世間を煽ったことなど、てっきり忘れて
しまっている。吉田清治氏の証言については、「疑問視する声が上った」と、今回は客観報道。
朝日が絶賛したことは無視。

そして、白眉は<「強制」の意味を軍や官憲による「強制連行」に限定する理由はない>と
突然豹変するくだりだろう。見事に、論旨をすり替え、<いかに元慰安婦の「人身の自由」が
侵害され、その尊厳が踏みにじられたか>が問題なのだ、と誰にも反論できない立派な議論
を展開するのだ。それはその通り、日本人だろうと朝鮮人だろうと、当時、娼婦や慰安婦に
なった女性たちが薄幸の身であったことは疑いようがないのだから。
 そのうえ、朝日は、日本軍が直接やったかどうかにこだわるべきではない、とさえ仄めかして
いる。
 朝日の広報室に聞く。
「従軍慰安婦問題は最初から明確な全体像が提示されていたという性格の問題ではありま
せん。政府の調査や学術研究、ジャーナリストの取材によって徐々に全体像が明らかになって
きたのが実情です。92年ごろまでは、挺身隊と従軍慰安婦が漠然と区別されないでいた時代
がありました。現在では、性格を異にすることは常識で、弊社は区別して報道しています」
   (中略)
 日本側は精神的な謝罪だけならいいだろうと判断して談話を発表したわけだが、どっこい、
最近韓国側は、国連人権委員会で、日本は元慰安婦への個人補償をすべきだ、と言いだして
いる。「官憲による強制連行」を認めた河野氏の責任は重い。謝れば仲良くなれるなんてこと
はない。そして、河野氏より責任が重いのは、やはり朝日の偽善的な報道なのだ。


 1997年4月17日号

(抜粋)



【慰安婦問題】シーファー米大使を手玉にとった“従軍慰安婦3人”の前歴… ころころ変転する証言


由々しき事態だ。米下院に提出された慰安婦問題での対日謝罪要求決議案を巡って公聴会
が開かれ、3人の元従軍慰安婦が出席。これを駐日米大使が“尊重”する旨の発言をした。
が、大使を信じ込ませた彼女らは、過去、証言が何度も変わり、その信憑性に疑いの目が
向けられているのである。


自称従軍慰安婦の証言の信憑性

従軍慰安婦問題について考える(証言の検証)

従軍慰安婦問題を考える
(元・従軍慰安婦達が慰安婦となった経緯を確認すると共に、
その証言の信憑性を検証するブログです)
「元・従軍慰安婦」証言者一覧 <韓国>

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  • 最終更新:2013-03-11 21:44:29

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